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手術用手袋における二重手袋の重要性とは?

SSIの抑制に重要な二重手袋と手袋の交換頻度

消化器外科手術の162症例のうち133症例(82.1%)1 で手袋の穿孔が確認されたという結果を基に、二重手袋の活用および適切な手術用手袋の交換頻度について解説。

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二重手袋とは?

医療業界において、二重手袋とは手袋の二重装着(ダブルグロービング)のことを指します。二重手袋をすることにより、医療従事者の職業感染だけでなく、患者の手術部位感染(SSI)等を防止する効果も期待されます。


二重手袋をするメリットは?

  1. 手袋の穿孔(穴あき)による、交差汚染や感染伝播のリスクを低減。2
  2. 外側と内側の手袋の色を変えることで、穿孔の視認性を向上。穿孔したまま作業するリスクを回避。
  3. 医療従事者の血液・体液への曝露を65%削減。3


手術時に手術手袋の二重装着(二重手袋)が推奨される理由

医療従事者の手術中の血液接触は、手術室での手術用手袋の穿刺や破れが主な原因です 。その点において、二重手袋(ダブルグローブ)はシングルグローブと比較して手袋の内側の穴あきリスクを71%低減します。4

上記の観点から、二重手袋は、AORN、WHO、CDCなどの専門機関に加えて、 国内の日本手術医学会「手術医療の実践ガイドライン」や国公立大学附属病院感染対策協会「病院感染対策ガイドライン」でも推奨しています。

手術に二重手袋が欠かせない理由

手術に二重手袋が欠かせない理由 手袋を着用することで、病原体の伝染を防ぐバリアとして機能し、血液や体液への職業的曝露のリスクは軽減されますが、二重装着(破れを認識できるものが好ましい)をすることで、一重装着時に比べて防護性能を高められる可能性があります。

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手術用手袋の穿孔リスクと二重手袋

医師や看護師の医療従事者と患者さん双方の感染リスクを高める、術中の「手袋の穿孔」。 二重手袋によって手袋の穿孔を視認する割合が約86%向上する5など、穿孔への対策を解説。

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参考文献
  1. Minako, K et al., Incidence of surgical gloves perforation in abdominal surgery. Journal of the Japan Society of Surgical Infection. 2019; vol. 16(4): 197–202
  2. Rippon MG, Rogers AA, Ousey KJ. Glove breach occurrence during surgical procedures: the benefits of double/indicator system gloves. J Hosp Infect. 2025;161:92-113.
  3. Childs T. Use of double gloving to reduce surgical personnel's risk of exposure to bloodborne pathogens: an integrative review. AORN J. 2013;98(6):585-596.e6.
  4. Mischke C, Verbeek JH, Saarto A, Lavoie MC, Pahwa M, Ijaz S. Gloves, extra gloves or special types of gloves for preventing percutaneous exposure injuries in healthcare personnel. Cochrane Database Syst Rev. 2014;2014(3):CD009573.
  5. Laine T, Aarnio P. How often does glove perforation occur in surgery? Comparison between single gloves and a double-gloving system. American journal of surgery 2001;181:564-6

これらのページの内容は医療従事者のみを対象としています。提供される情報は一般の方を対象としたものではありません。専門家以外の方は、閲覧にあたってはご自身の判断に委ねられます。